2023年2月12日(日)にアリゾナで行われた第57回スーパーボウルは、カンザスシティー・チーフスがフィラデルフィア・イーグルスを38帯5で破り、過去4年で(2019-2020)2度目、フランチャイズとしては2度目のスーパーボウル優勝を果たしました。
第57回スーパーボウルでMVPに輝いたQB:パトリック・マホームズ選手(22/27パス、182パスヤード、3TDパス)は、NFL史上初のキャリア最初の6年間で2回のスーパーボウル制覇と2回のスーパーボウルMVP、NFLオーナーズの年間MVPを獲得した選手となり、新たにスーパースター選手としての称号を手にしました。
カンザスシティー・チーフスは試合開始早々にイーグルスに先制されるも、すぐにケルシー選手~パチェコ選手~マホームズ選手~ケルシー選手の流れでタッチダウンを決めて同点に追いつき、前半はイーグルスのペースで試合が進み前半を14-24の10点差で折り返すも、チーフスにとってみればここからがお家芸。前半の多少のビハインドなど大したことではなく、アジャストを掛けてきた後半はチーフスが追い上げ、再度、右足首を痛めたマホームズ選手が、またもやタッチダウンに繋がる14ヤードランを見せてチームが奮起すると、カダリアス・トニー選手の65ヤードパントリターンからのタッチダウンを含めあっという間に逆転。名将アンディー・リードHCと魔術師と言われるマホームズ選手の手に掛かり、接戦となれば勝っても負けても最後の数分間で勝負を決めてくるチーフスは、このスーパーボウルでも最後は試合を支配しました。
パトリック・マホームズ選手を中心に、アイザイア・パチェコ選手、カダリアス・トニー選手、スカイ・ムーア選手らの若手の成長、トラヴィス・ケルシー選手、マルケス・バルデス・スキャントリング選手、ジュジュ・スミス・シュースター選手、クライド・エドワーズ・ヘレアー選手、ニック・ボルトン選手、クリス・ジョーンズ選手等の移籍組を含めた中堅からベテランの層の厚さを見ると、まだまだAFCのチーフス王朝は続くのかもしれません。
フィラデルフィア・イーグルスも1stドライブからQB:ジェイレン・ハーツ選手がラッシングTDを決め、A.J ブラウン選手への45ヤードタッチダウンパスなど、ラン&パス共に果敢なオフェンスを見せて前半を折り返し、後半は逆にチーフスの巻き返えされながらも第4クウォーターの残り5分にはジェイレン・ハーツ選手がデヴォンタ・スミス選手への45ヤードパスを決め、1st&Goalからジェイレン・ハーツ選手が押し込み2点差に迫るタッチダウン、そして2ポイントコンバージョンもハーツ選手が自ら決めて35-35の同点に追いつくなど、最後まで今シーズン圧倒的な強さを見せたNFCチャンピオンの実力と意地を見せてくれました。強いて言えば、ハーツ選手が許したファンブルリターンタッチダウンとKCのカダリアス・トニー選手に許した65ヤードパントリターンが結果としては痛かったのかもしれません。
最後は残り5:15秒からボールを持った、技ありのチーフスはそのままボールをキープしてフィールドゴールを決めて38-35、残り0:08秒でボールはイーグルスに渡るもゲームセットとなりました。
イーグルスのQB:ジェイレン・ハーツ選手は3回のラッシングタッチダウンと2ポイントコンバージョンで20得点を決め、スーパーボウル歴代最多得点に並び、304パスヤード、70ラッシングヤード、1タッチダウンパスという成績は、スーパーボウルでのQBラッシュヤードの記録を更新し、スーパーボウル史上3人目のパス300ヤード以上、ラッシング50ヤード以上のQBとなりました。
今シーズンAFCとNFCの第1シードの対決となった第57回スーパーボウルは両チームの持つ実力がフルに発揮された熱い試合となり、スーパーボウル史に残る試合の一つになったのかもしれません。38-35というファイナルスコアはスーパーボウル史上3番目に得点の多い試合ということです。
来年2024年2月11日(日)にラスベガスで行われる「第58回スーパーボウル」では、どんなドラマが待っているのでしょうか。2023-2023シーズンの始まりが既に待ち遠しいですね。